福寿小BLOG
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低い雲
- 掲載日:2023.08.10
- できごと
「今日は雲が低いね。」
「そうだね。外出を控えようか。」
なにげない会話ですが、この会話はとても高度です。
1.「雲が低いね。」と言われた側が、脳のなかで、「お天気が悪いね。」と即座に変換をしていること。
2.「雲が低いね。」と言われたことと同時に「君のターンだよ」と応対を要求されていることに気づいていること。
この二つの要素に受け側が対応しなければ成り立たない会話だからです。
「今日は雲が低いね。」
(そうか・・・低いのか・・・)
「今日は雲が低いね。」
(それがどうしたんだろう・・・)
夏休み。普段より親と子で過ごす時間が多くなり、楽しい会話も増える一方、喧嘩も増えているのではないでしょうか。
親:「今日はお母さん、仕事遅くなるからね。」
子:「わかった。」
【良いケース〇】
仕事で帰宅が遅くなるから、それまでに宿題とかいろいろ済ませておいてね。お風呂も入っておいてくれると助かる!との思いが込められていることを子が自覚した上で「わかった」と応えており、お母さんが帰ってきたときには親の期待通りになっている。
【喧嘩になるケース△】
子は、仕事で帰宅が遅くなるという事実のみを認知して「わかった」と応えたのに対し、親は、それまでに宿題とかいろいろ済ませておいてね。お風呂も入っておいてくれると助かる!との思いも伝わったのだと勝手に思い込み、仕事に出かける。
一方、遅くなるから、それまでに宿題とかいろいろ済ませておいてね。お風呂も入っておいてくれると助かる!との思いが込められていることを認知していない子はゲーム三昧で、お母さんが帰ってきた瞬間に母の怒りが爆発!!
たいていのパターンは怒り爆発のパターンですよね。当たり前です。以前のBLOGにも書きましたが、子どもの世界と大人の世界は時間軸や考え方が違っていて、「親の思い」っていうのは大人のエゴです。そのエゴを子が推しはかるには相当な技量が必要である上に、エゴに従順な子がいたとしたら逆に危ないと思いませんか。親の顔色を常に覗っているということですから。
親と子は、喧嘩ばかりです。
毎日喧嘩です。
それでいいんです。
いいんだけれど、喧嘩を減らす術はありますよ。
お互いに一言を付け加えるように気を配ることです。
大人が一言を付け加えるように気を配ると、子どもも同様になっていきます。
「今日はお母さん、仕事遅くなるからね。もしかしたら9時近くなっちゃうかもしれないから、早めに宿題済ませて、ご飯とお風呂も先に入ってて。」
「わかった。9時だね。ゲームは約束通り1時間でやめるから、それまでにお風呂とご飯済ませておくよ。お母さん、遅くまで大変だね。いつもありがとう。」