中島中BLOG
中島中BLOG
触れ合うと伝わること... 触れ合って伝えること...
- 掲載日:2022.06.09
- できごと
もう何年も前の出来事です。
校地から少し離れた場所で恒例の朝の挨拶をしていると...
隣の中学校(私は当時小学校勤務でした)に通う馴染みの生徒が何人か通り過ぎていきます。多くの生徒は正門から登校していきますので、私が立っている場所を通る生徒は裏門から登校する少数派です。その中に、ニューフェイスが現れました。10月くらいからだったと記憶していますが、新しい二人が並んで通るようになりました。自転車を引いて歩く少し華奢な感じのする彼と、芯の強そうな彼女です。
最初の頃、二人とも少しはにかみながら、真っ直ぐに前を向いて私の横を通り過ぎていました。「おはようございます。」の挨拶を返すときも、真っ直ぐに前を向いたまま。
でも、しばらくすると、ちらりとこちらに目をやり挨拶を返してくるようになりました。
そんな二人が、ある日、手をつないでやってきました。冷えて寒い朝でした。手が冷たくて二人で温め合って歩いてきたのでしょうか。何かがあって、何かを伝え合いながら歩いてきたのでしょうか。ともあれ、その光景はいかにも微笑ましく、「いいなあ」「素敵だなあ」と思わず羨ましく思うほどでした。少し躊躇しましたが、いつものように声をかけると、いつものようにちらりとこちらに向けた目線が照れてはにかんでいるのがまた微笑ましく... しっかりと繋がれた手をもう一度眺めてしまいました。
コロナ禍で、友と手をつなぐことができません。
軽く肩を触れ合うこともできません。
何気なく体を寄せることもできません。
触れ合うと伝わることや、触れ合って伝えることって沢山あるんだけど...
伝えられない思いや、伝わらない想いは行き場を失って、内に溜めるしかなくて、目には見えないけれど子どもたちを蝕んでいるんだろうなあと思います。
体の距離が遠い分、心の距離を近く保つように気を配って子どもたちを包んでいけたらと思います。
今日は「引き渡し訓練」です。
親子で過ごす時間がいつもより少しだけ長くなります。心の距離を近くする絶好の機会ではないでしょうか。
親子での素敵な時間が流れますように。