中島中BLOG

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中島中学校 『人権宣言』

掲載日:2022.12.05
全校

「日本で車を運転しているのは、お年寄りと女性ばかり。男性はどこにいるの?」

 平日の昼間は、男性は仕事をしているからね...、と答えようとして、私はふと考えた。なぜなら、英国の男性たちだって平日の昼間は仕事をしているからだ。が、車を運転している人が女性ばかりということはない。

「日本の場合、お母さんたちがぴしゃーと何でもするけんな。パートから買い物から子どもの送り迎え、それに親の介護やら何やら、車に乗ってあっちこっち飛び回るとはお母さんたちやけん、それで女の人ばっかり運転しようごと見えるっちゃろ。」

(『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』 著:ブレイディみかこ)

  

  

 上の文章を学校風にアレンジしてみると、こんな風になるだろうか。

  

「日本で学校の三者懇談や進路説明会に来るのは、女性ばかり。男性はどこにいるの?」

 平日の昼間は、男性は仕事をしているからね...、と答えようとして、私はふと考えた。なぜなら、英国の男性たちだって平日の昼間は仕事をしているからだ。が、息子の進路説明会には配偶者とともに参加をしたし、先日の感謝祭には配偶者が一人ででかけていった。

  

 ここで、話をひと括りにしてしまうと誤解を生じるとは思うが、あえて誤解を怖れず言うならば、日本において「子育て」は、そのほとんどを女性が担っている。(というと聞こえは良いが、もう少し辛辣に言うならば、女性に押し付けられている。)

 ゆえ、日本において「子育てに悩んでいる」のは、ほとんどが女性だ。

 最近でこそ、企業も男性の育児参加に前向きになってきており、男性自身の意識も変わってきているとはいうものの、三者懇談の様子を垣間見るにつけ、男性は子どもの躾や学業やその他諸々を女性任せにしすぎているように感じる。

 かくいう私もその一人であったから偉そうなことは言えないが、その反省をこめて書いているということで男性保護者の方々にはご容赦願いたい。

  

 子育てに悩みは尽きない。

  

 基本的に子育ては「楽しい」。

 楽しいが、ときに大きな波が押し寄せる。その波に、たいていの場合、お母さんがひとりで立ち向かっていることが多い。男性はたまに顔を出し、適当にいいところをかっさらい、嫌な役目はいつもお母さんだ。

 そして更に悪いことに、お母さんが一人で悩んでいるということに多くのお父さんは気づいていない。

  

 お母さんは声に出せないままに叫んでいる。

  

 たまにはお父さんが叱ってよ! 

 いっつも私ばっかりやん! と

  

 子どもたちと、もう少し話をしてよ! 

 進路の相談に乗ってやってほしい 人生の相談に乗ってやってほしい 

 あなたの人生を子どもたちに聞かせてやってほしい

 あなたの願いを、もっともっと子どもたちにぶつけてほしい と

  

 そして、

 たまに、「母さん、いつもありがとうな」と 言ってほしい と。

  

 中島中学校では、「人権デー」と銘打っての生徒会活動が繰り広げられている。

 今朝は、生徒会執行部が全校の前で中島中学校人権宣言を掲げた。

  

 生徒の皆さんに問う。

 常日頃、お母さんの人権はちゃんと守られているか。

  

 まさか、

「うるせえ!くそばばあ!」

 などと、宣うてはいないと思うが...

  

(今回のBlogを読まれた、ひとり親家庭の方々が、不愉快な心持ちになられたとしたら、心よりお詫び申し上げます。)

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